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【映画レビュー】パッションフラメンコ

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ドキュメンタリーで、ヒューマンドラマで、アクション。

終わった瞬間、総立ちの拍手に包まれない真っ暗な客席に、これは舞台ではないのだと思い出した。

フラメンコ界を牽引する、世界最高峰の天才ダンサー、サラ・バラス。彼女の伝説の舞台と呼ばれる『ボセス フラメンコ組曲』の舞台初演までの3週間と、続く世界ツアーを映し出した、ドキュメンタリー映画だ。


「踊るために生まれてきた」と言うサラ。
才能は生まれつきだという意見を彼女は否定する。
「才能を開花させるには努力が必要よ。汗を流さずにソレアを踊れると思う?」

「犠牲や苦労があるから劇場を満員にできる」と言い切るサラは、フラメンコダンサーの頂点に登りつめた今も、「一歩一歩積み重ねるしかない」と、常に努力を重ねる。
彼女が唯一辛いのは、ツアー中幼い息子を残してくること。

喜びも悲しみも、苛立ちも苦しみも、人生のすべてをフラメンコに昇華させるサラの情熱は、全女性に自信と輝きを与えてくれる。

「人は苦しみのドアをノックしたいとは思わない。人々がノックしたいのは、歓喜や喜びのドア」というサラの信念は、最後のダンスで観るものの『喜び』の感情を呼び起こす。

「アーティストだけが特別じゃない。誰もが特別なの」


自分を信じ、踊り続けるサラの情熱と生き様に、明日への希望とエネルギーが湧き上がる作品だ。

【オススメ対象】
何かに感動したい人
絶望や苦しみの渦中にいる人
自分を信じたい人

パッション・フラメンコ
8月19日(土)より Bunkamura ル・シネマにて上映
2016年 | スペイン | 95分
監督:ラファ・モレス、ぺぺ・アンドレウ
出演:サラ・バラス、ティム・リース

by edison_bb | 2017-07-06 17:54 | 映画レビュー
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