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ブラりすとは荷物を持たない

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お気に入りの傘をなくした。

盗まれた、とか
行きは降っていたのに帰りは晴れた、とか
正当な理由は何もない。
ただの不注意でなくしたのだ。
盗難が「正当な」理由かどうかはさておき。


電車を乗り換える際に忘れたらしい。
乗り換えてずいぶん時間が経ってから
「あれ? そういえば、わたしの傘は?」
と、思い出した。
酔っ払っていたわけでも
雨が止んだわけでもない。
まわりの人の傘を見て
そういえば、と気がついたのだ。
ていうか土砂降りなのに、どうするんだ、わたし。


思えば昔から、よくものをなくした。
さっきまで持っていたはずのものがそういえばない、という不思議な事象に、子どもの頃からよく遭遇した。
買ったばかりの数10万円のブランド物の洋服を電車の網棚に上げ
そのまま忘れて電車を降りたツワモノの友人がいるが
(すぐに問い合わせたが、当然見つからなかった)
類友のわたしは、それ以来どんなに重い荷物も
決して網棚に上げない。
手から離したらアウトだ。
友人だけでなく、家族にも「ツワモノ」がいる。
ふと気がつくと、手に持っていたものが消えた、と言い張る次男。
わたしのD N Aを確かに受け継ぐ存在である。

習字バッグ
体育着入れ
と、自分のものならまだいいが
スーパーで買った品物が入ったレジ袋や
「ちょっと持ってて」と預けたわたしの私物も平気でなくす。
傘なんて持たせた日には
あっという間に行方不明だ。
中学校を卒業するまで
財布などの貴重品は
必ず首から下げるよう徹底指導していたが
高校生になって、急になくさないようになった。
D N Aの突然変異か。
人間は変われるって、ホントだ。

コートを着る時期になると思い出すのは、学生時代の友人。
必要最小限のものをコートのポケットに入れ、いつも「手ぶら」で移動していた。
当時、「将来ブラブラしながら遊んで暮らす人になりたい」という壮大な目標を持っていたわたしたちは、その「職業」を「手ぶら」と「ブラブラする」をかけて「ブラりすと(もちろん造語。ていうか職業か、それ)」と命名した。
ユーチューバーとか、ライフスタイルコンサルタントとか、「カタカナ表記すりゃいいってものじゃないでしょ」という職業がずいぶん増えたが、「ブラりすと」は未だブレイクしていない。
その頃の1番の悩みは「ブラりすとは通勤定期を買えるのか」という問題だった。
あの頃は電子チャージできなかったんだよな。懐かしい。(そういう問題ではない)

今、ひとつだけ願いが叶うとしたら
ものをなくさない人になりたい、かな。
いや、なくしてもすぐ取り戻せる「ドラえもんの四次元ポケット」がいいかな。
なんて考えてみたけれど
目の前の現実は、傘もないのに土砂降りの雨。

神さま、やっぱり傘ください…






by edison_bb | 2017-10-20 12:27 | ささやかな日常
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