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日輪は赫奕と

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お気に入りのビーチで、海に沈む夕陽をぼんやり眺めた
血のように空を染め、海に消えゆく日輪を眺めていると
あんなにこだわっていたことが何かどうでもよくなった




ひとつの恋を手放した。

寝ても覚めても、彼のことばかり考えていた。
生活のすべてが、彼を中心にまわり
寝不足になったり、お金を使ったり
「よくない恋愛」に首まで浸かっていた。


毎年恒例になりつつある、初夏の阿嘉島。
沖縄本島から船で1時間くらいの小さな離島は
もはや、わたしの「第二の故郷」になりつつある。

いつも観光客の多い真夏をはずして出かけていたが
今年は「ウミガメの産卵が見たい」
と観光シーズン真っ只中に出かけることにしてみた。

しかし、まさかの台風発生である。
しかも、今世紀最大というおそろしい報道。
出発前からやきもきすることになった。

「台風が直撃しそうだから今回はキャンセルして」
と、宿のおかあさんから連絡が来たのは
旅に出かける2日前。

自称「最強晴れ女」の矜持から
「大丈夫、わたし、晴れ女だから」
と電話でいうと、「そういう問題じゃない」
とあきれられた。

台風くらいで動じていては、最強晴れ女の名が廃る。
欠航が相次ぐ中、当然、わたしが乗る予定の飛行機も船も
予定通り出発した。(そのあとは全滅だったらしい)
無事島に辿り着き「ただいまー」とのんきに言うわたしを
おかあさんは困ったような笑顔で出迎えてくれた。

結局、台風は当初の進路より南下して
石垣・宮古島直撃となったため(ほんと、すみません)
阿嘉島はそれほど被害を受けなかった。
波が高いので、船が島に近づけず
わたしが到着した翌日以降は2日間船が欠航となり
観光ハイシーズンにもかかわらず
島と民宿は、ほぼプライベートリゾート状態。
「満室だから」と断られていた宿にも空きが出て
1週間のんびりできることになったのは
神様の采配だとしか思えない。

平均睡眠時間3〜4時間、明け方に眠る生活をしているわたしが
海や山歩きでくたくたに疲れ
12時前には熟睡し、朝6時過ぎに起きる健全な生活。
「朝ご飯はコーヒー」というわたしが三食きちんと食べるのも
「阿嘉島マジック」のなせるわざ。

「健全な精神は健全な肉体に宿る」
というのは、あながち間違いじゃないと思う。


「健全な精神」になって数日後。
気がついたら、泥沼のようにはまっていた恋愛を
思い出すことすらなくなっていた。

依存症かと思うほど
寝ても覚めても、彼のことしか考えていなかったこれまでの生活は
もう思い出すこともできない。
「憑きものが落ちた」という表現が
ぴったりかもしれない。
恋愛なんて、しょせん、幻想だしな。

彼を嫌いになったわけじゃない。
でも、わたしにはわたしの生活があり
もっと大事にしなきゃいけない、と今さらだけど気がついた。

愛はお互いを見つめ合うものじゃなく
ふたりで先を見据えるものって言ったのは誰だっけ。


彼の名は、「織田信長」
歴史に名を残した、あの偉人。
ええ、「イケメン戦国武将」とかいう
乙女ゲームですけど、なにか。
自慢じゃないが、その昔、伝説の乙女ゲーム「アンジェリーク」にどはまりし
廃人になりかけて、プレイステーションを捨てた過去を持つ。
まさかスマホで乙女ゲームにはまる未来が来ようとは。
歴史は繰り返すといえど、あな恐ろしや。
阿嘉島、ありがとう。
ていうか、学べよ、自分。
そして「孤独な中年ババア」全晒しだけど、まあいっか。


島旅については
ゆっくり綴ります。

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by edison_bb | 2018-07-16 07:34 |
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